ポルシェ 930 について
ポルシェ と聞くと私はこのビッグバンパー時代の911か ナロー時代の911を連想します。
この車両は1983年式の930 SC カブリオレで、3.0リッターSOHCになります。
この年式までの930をSCと呼び、この後の3.2リッターモデル(1984~)をカレラ3.2と呼びます。
途中にカレラ3.0も存在しますが雑誌でしか見たことがありません。
その他にも日本仕様のSCS等がありますが、見た目はほとんど変わらず、フロントのバンパー下のフォグランプが埋込み式か写真のように出っ張り式かの違いとアンテナの違いくらいです。(アメリカ仕様はヘッドランプカバーが違います。)
83年式のカブリオレの場合はフロントウィンドウ上部にスモークがありませんが
(この車両はスモークを後で追加してあります。)通常の930にはスモークが入っています。
この車両はポルシェシンクロ時代の911ですので、ギアが渋いです。(慣れればどうという事はないですが・・・)
購入時、別にユーノスを持っていたのですがユーノスから乗り換えると酷く乗りづらかった事を思い出します。
また、この年式の911はKジェトロ形式のエアフロを使用しています。
この後のモデルはLジェトロです。性能的にはLジェトロの方が優れているのかも知れませんが、私はこの方式がキャブに近い感じがして好きです。
また、エンジン出力はそんなに無いのですが(200PSちょっと)、強大なトラクションにより発せられる爆発的な加速には正直体がなれません(笑)
また、ナローに比べてレスポンスが鈍くなったと言われる930ですが
一般のスポーティーカーに比べればまだまだ鋭いレスポンスでバイクの様なレーシング(空ぶかし)が出来ます。
足回りは前後共にトーションバー式でちょっと面倒ですが車高調性も可能です。
(951よりは面倒じゃないですが・・・)
この時代のカブリオレは電動では無く手動式のオープンになります。
84年以降のカブリオレは電動トップですが、初期の電動オープンは故障も多かったそうです。
この車両でのトラブルは・・・
ミッションが破損
走行中にミッションが3速に入ったまま抜けなくなりました。
路肩に停めてエンジンを切り、ギアを抜いた所、今度はどのギアにも入らなくなりました。この時点でクラッチ云々では無くギアがかじってしまった事は確かなのですが・・・その時は遠出していた為仕方なく近くの整備工場にレッカーを頼み1日保管してもらいました。
翌日、車両を受け取りに行くと、整備工場の方が勝手に車を弄ったらしくシフトがバックギアに入っていました。(恐らくレッカー車から降ろすのに無理やりギアを入れた様です。)こじったギアを無理やり動かしたため、ギアが破損し使い物にならない状態になってしまいました。この時はミッション交換で100万掛かりました(^_^;)
皆さんもギアが入らなくなったら無理して弄らず専門点までレッカーして貰いましょう
その方が安上がりです。
フュエルデストリビューターの故障
930系911ではおなじみかもしれませんが、フュエルデスビがいかれました。
フュエルデスビは燃料を各シリンダーに分配する分配器の様な物ですがこれが故障するとまともにアイドリングしないばかりか燃料が逆流したり漏れたりして非常に危険です。妙に生ガスの匂いがする、エンジンルーム右奥のABSみたいな機械から茶色の液体が漏れた形跡がある等を発見した際はフュエルデスビの故障が疑われますので注意してください。
フュエルアキュムレータの故障
燃料系ではこちらも定番で、エンジンルーム右奥の手榴弾の様な部品(色々外さないと見えない)が破損する故障です。
アキュムレータというと油圧ポンプの様な物をイメージする方もいると思いますが似た様なものだと思います。要するに燃料の吸う量を調整してくれます。
これが破損すると、やはりアイドリングや走っている際の不調につながります。
エンジンがハンチングを起こしたり、掛かりづらい等の症状が出たらまず確認しましょう。
現在までに私が経験したトラブルはそんなところです。
トラブルとは少し違いますが、この当時の911は空冷エンジンで熱対策も少し993等に比べて劣りますので、オーバーヒートに注意が必要です。
対策は後付けの電動ファン(空冷用)やオイルクーラーを増設する、油温の上がりにくいオイルを使用する(必然的に高価)、暑い日は乗らない(^_^;) 等と思います。
また、Kジェトロの場合、夏と冬で燃調を調整し直す必要があります(この辺もキャブに近い感じですね(^-^))冬に調整すると夏にアイドリングが不安定になったりハンチングを起こします。逆もまたしかりで燃料がくすぶりすすがでたりします。
後はハンドルが今の車と違いめちゃくちゃ重いです。
狭い駐車場で切り返しを行ったりする場合、車庫入れだけで大汗をかきます(笑)
上記の様に乗りづらい面も多く含む車ですが、それもまた、いとおかし と思えるから不思議です。
SCのカブリオレは生産台数が少ない事から今では希少になって来ましたので今後も大事に乗って行きたいと思います。(>_<)
(と言いつつ現在カスタム中です。カスタムが終わったらまた記事にしたいと思います)